心理学でいう影とは
通常、私たちが「自分」と呼んでいるものは、心理学的な表現でいうところの「自我」です。
それは、私たち人間の誰もの意識の中心に在ります。
その一方で、自分にとって認めたくない自分の感情や無かったことにしたい過去の心的古傷、
忘れてしまいたいと封じ込めてしまって、固めてブロックした感情や記憶。
と、言う厄介なものがあります。
自分がいくら認めたくなくても、忘れようとしても、それらは確かにあった事なので、
無かった振りをしても、忘れようと排除を試みても、自分の中に在り続けます。
自我の意識から排除されたその感情こそが、「影」となって無意識の中に在り続け、
様々な場面のフトした時に現れ出でては、わが身を苦しめるのです。
そうです。
心理学でいうところの「影」とは、
「自我」と反対の位置にあり、対照的な性質を含んでいます。
そして、それは「投影」という形で表現されることが多く、
一般的な人々にとっては、その正体は見えにくくなり、
ますます混乱し、葛藤を増し、自分に自信が持てなくなって、人間嫌いになり、
ついには自分をも好きになれなくなり、人生に虚無感さえ抱くようになります。
その根源に潜むものが、
自我から排除されて無意識に押し込められた「影」の正体です。