新鮮な体験だったプロセスワーク
先日、「プロセスワークの理論と実際」を開催した。
開始から既に14年目を迎えているゲシュタルト・トレーニングコースに、
今年は敢えてトランスパーソナルな視座を含む「プロセスワーク」を組み込ませた
ある意味実験的なトレーニングコースでもあった。
個人的成育史に影響を受ける自我の未完了感が及ぼす生き辛さに焦点を当ててワークを進める
フロイト派の無意識を中心に扱うゲシュタルト療法と
ユング派が言う集合的無意識の命の存在そのものの統合の流れを見ようとするプロセスワークには、
アプローチそのものに似て非なる点があることを、受講者の方々に体験してほしかったからである。
ゲシュタルト療法の基本がある程度理解でき始めた方々であったからこそ、
「自我」と「自己」の違いが認識でき始めたからこそ開始に踏み切れた。
根幹のスタンスの違いはアプローチに微細な変化を及ぼし、
そこから導かれる「気づき」にも様々なものがあることを
体感してほしいと言う私の悲願でもあった。
二日間、誠実に真摯に自己に向き合う参加者お一人お一人の姿は、
学びの場であることを超えて感動的であった。
◆参加者には課題図書を読み込んで当日に臨んでいただきました。
体験された方々からの初々しい率直な感想を一部抜粋して、以下にご紹介します。
①本で読むプロセスワークは非常に難解でしたが、
一日目のワークを終了して再度「プロセスワーク」の課題図書を読み直してみると、
言葉や表現のニュアンスについて納得感を持って理解ができるようになったのが、とても驚きでした。
一番の成果は、「プロセスに従う」ということの意味、意義、大切さが、頭ではなく体で理解する助けになったことでした。
これは、おそらく何度本を読んでも到達し得ない境地ではないかと思います。
非常に貴重な2日間の体験でした。
プロセスワークの奥深さにも触れることができ、私の中でも非常に関心が高まりました。
②ひと月以上かけて読み込みに挑んだ書籍では専門用語に翻弄されて、戸惑いと苛立ちを抱え、挫折気味のまま当日を迎えました。
瞑想、夢のワーク体験後の翌日早朝、夢の中から語りかけられる声で目が覚めました。
エッジ、チャンネル、自然、自己…あれほど苦手だったプロセスワークの専門用語が、
今では暮らしの中にチラホラと出てきます。
③研修後、それこそ言葉にならないものがずっと残っています。
これからの研修への期待感が膨らんでいます。地方に充実の研修の場、万歳‼です。
④プロセスワークは言葉に表現できない深い体験でした。自己の扉のドアノブに手をかけた感覚はあります。
⑤スピリチュアル系なフワフワした人が苦手で、そっち系の世界は避けてきました。
それなのに何故、眞美子先生がトラパに心酔されているのか正直イマイチそこだけが理解し難い点でしたが、
今回、自己実現の本質がわかって納得しました。これからは積極的に勉強します。
⑥ワークの会場では暖かく包まれる感じがあった。
帰宅してから以降、それは更に柔らかく優しい暖かい感じに変わっていった。
その後数日間、夢は見ているようだけれど、まだはっきりと掴めていない。
⑦ワーク体験は言葉を超えて実感として私の身体を包み込むように理解できました。
予めの課題図書読破の予習と理論解説の時間があったからだと思います。
何事にも理論と演習体験は大事です。
⑧やってることはゲシュタルトと同じだと感じた。
ゲシュタルトはエンプティチェアで対話する時、
移動する度に切り替えが上手くいかず両方の椅子で思考の自分が出てしまって
嘘っぽさを感じる事が多々あった。
今回、夢の片方を引き受けてもらえ一定時間フィギアに専念できた効果は大きかった。
ファシリの距離感は、ゲシュタルトが一歩下がって見守る感じとすれば、
プロセスワークは半歩下がって話しながら歩いていく感じがした。
⑨プロセスワークは難解で十分に理解はできませんでしたが、楽しく興味深い時間を過ごしました。
プロセスの流れに従い、ワークすることでエッセンスに触れ変容が生まれるという構造は、
どこか公式のようで分かりやすいと感じました。
数年前に初めてトランスパーソナル心理学に触れたときは、正直怪しげな印象をぬぐえませんでした。
しかし、様々なトランスパーソナル心理技法が私の悩みを軽減し生きやすくなりました。
いまだエッジは多数あります。
プロセスワークではプロセスを展開し自覚することで、自己・全体性を回復できるとしています。
このような技法がもっと多くの辛く苦しい想いをされている方に正しく伝わる時代が早く来ればいいと思います。
感想をお寄せくださった方々のお名前は全面伏せています。
皆様の率直な感想が、未だプロセスワークに振れたことのない方々の興味・関心を
揺り動かしてくれることを願っています。
心理療法は派閥ではありません。派に固持することはナンセンスです。
大事なことは、今現実に苦しみ悩みを抱える人にとって
どのような関わり方、どんなアプローチが
意味を成すかということではないでしょうか。