自立(律) ≠ 孤立 … 甘える力・頼る力

ヒトは成長発達の先に「自立」を求めています。

・多少の事は我慢して、何が何でも自分の力で乗り切る。
・自分一人で何とかしなければいけない。
・いつまでも他人に頼ったり甘えたりしてはいけない。
…「自立」に対するそんな誤った思い込みが、自分を追い詰める。
…挙句の果てに、それが出来ない自分に向けて、
自分自身が自分にダメ出しして、自己肯定感が持てなくなる。
増々自分を追い詰めて、社会を避け、自分からシャッターを下ろし、
人目を避け、いつしか…、閉じこもる。
(コロナ禍で増加の「孤立」してしまった自分に厳しい真面目な人たち)

生きていく上に於いて必要な力には、
色んなものがありますが、
人生のスタートでの赤ちゃんは、
ただただ泣いて甘えて依存して
自らの命を生き延びさせようとしているところから見ても、
甘える・頼る・依存する、は、ヒトにとって根底にあるものだということが分かります。

そうなんです。
「自立」は、適切な甘えや依存があって初めて健全に育ちます。
何が何でも自分一人で!との、ガチガチな考え方は、
もはや自立ではなく、「孤立」に近いものになります。

「お願いします」「助けてください」は、人生を生き抜くために、
成人してからも大事な力の一つです。

他者支援を仕事としている人、管理職関係者、先生と呼ばれる人たち。
誤った過剰な自立意識では、結局、誰も救えません。
自分を追い詰めるだけでなく、目の前で援助を必要としている人にも
適切な対応、必要な支援が出来なくなります。

にも拘らず、意外にも専門職の人たちの中に、
思いの外「甘えられない」「援助を求められない」人が多いのも
確かな事実です。

職業も、役職も、地位も、一つのペルソナに過ぎません。
役割以前にも、役割を降りてからも、
「自分」と言う一人の人間としての人生は続きます。

「自分」を自分として大事にし、
他者との関係性を緩やかに豊かに育むためにも、
助けられたり、助けたり、甘えられたり、甘えたり。

柔軟性を保ちつつの「自立」を目指し、
健全な精神生活を営むために、
「甘える力」と上手に付き合いたいものですね。

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