『真実』って何だ?Part2

『真実』なんてものが、そもそもあるのだろうか。
これこそが絶対に正しい、唯一の「真実」だ…なんてものが、
あるのだろうか。

『真実』「現実」「事実」…、…「記憶」…、これがまた厄介。

人間の脳には、「忘れる」能力がある。 そのように創られている。
忘れる力のあることによって、我々人間は救われていることが多い。
何もかもを完璧に完全に記憶していたら、脳はパンクしてしまう。

優秀ながらも限られた能力の人間には、絶対的な真実を伝えていくことは不可能だ。

科学者は、『真実』を追い求める。
科学の世界が求める真実と、人の記憶に基づく心の世界が扱おうとして語る真実には、その『真実』に求めるものが、そもそも違いすぎる。

私にとっての大切な思い出、あなたにとって大事なこと、私の感動、あなたの感激。
それらは、それぞれに皆違っているけれど、そのいずれもが、各個人にとっては、『真実』なのだから。
だからこそ、自分とは違う『真実』であったとしても、その人の中に確かに有る『真実』をカウンセラーは尊重したい。

感覚的なもの、文化的なもの、精神的な世界で扱う大切なものは、ひとり一人がそれぞれに体験する美しさ、喜び、悲しみ、寂しさ、悔しさ、…感激……は、そのすべてが、その人自身にとっての『真実』だ。

他者とは全く違っていたとしても、その人の『真実』は、その人の中に確かに有る。

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