今のところ未知なるコロナウィルス

それが何であれ、未知のものに出会う時、私たちは緊張します。
身構え、防衛し、時には敵意をもって対抗さえします。

ウィルスを「完全「悪」」とみなすが故に、
過剰に恐怖心を抱き、犠牲者である感染者に敵意を向けることさえあります。

「病の文化史」に記された一文に
…今でこそ「善玉菌」と呼ばれる細菌の中にも、
かつては人類にとって脅威だったものがあり、
それらは、
長い時間かけて人類の体表面や体内に住みつき共生していくうちに、
人類を守るものに変異して行ったのだ…。 と、する一節です。
善玉菌と重宝される腸内のビフィズス菌や乳酸菌も、
遠い昔には人類にとって喜ばしい存在ではなかった時代があったようです。

私たちの生活スタイルは大きく変わり、食事や暮らしぶり、異国間の移動も、
昔には想像できなかったほどに変化しています。
便利さ、スピード感、効率、、、望む欲求は限りなく、飽くことを知りません。
それらの欲求は、気づかぬうちに私たちの環境に影響を与えています。

「感染症と文明ーー共生への道」の著者山本氏は、
『文明は感染症を育む「ゆりかご」である』とも語っています。

この世に生み出されるもの、存在するものには、それぞれが、それなりに、
何らかの意味をもってそこに在ることだけは確かなことです。

それは長い時間をかけて、…そう、長い長い時間をかけて、
いつの日か、人類を人間を守る存在へと変化していくはずなのですが。。。
今のところは「未知なるウィルス」です。
正しく(?)恐れ、適切に対応して、
自分も、自分に繋がる大切な人たちをも守っていきたいものです。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。