思慮深く忍耐強くあるために

私たちが生きている「社会」とは、何でしょう。
最も身近な「家庭」、家族と言う社会から、学校、職場、地域、国家…。
私たちは「社会」から多くの影響を受けて生活しています。

土壌には、生まれ育った地域文化があり、時代によって移ろい行く価値観があります。
しかし、何と言っても直接的なその影響は、「自分」と関係のある他者でしょうか。

社会とは、人間が、
自分以外の多数の人との関係によって作り出されるものでしょう。
それは、自分が持つ他者との関係である以上、
私たちは、社会から影響を受けているだけではなく、
自分からも、社会、他者に、影響を与えているとも考えられます。

コロナ禍で、本来なら喜ばしいはずの家族で共に過ごせる時間が増え、
小さな足元から、自分の大事な社会を再構築できる時間を与えられたはずなのに。

ここ最近のカウンセリングのテーマは、「家庭での自分の居場所」「自分の存在価値」
閉塞感のある「職場での人間関係」「人生の仕事と生き甲斐」「本来の使命とは?」など。
人間にとっては、従来から良く見受けられるテーマではありますが、
最近気にかかるのは、その状況にある自分を被害者と捉え、
原因を他者に、周囲に、社会に向け、「社会」批判の感情が高まっている…、
と言う、過剰な被害者意識と他者否定の強い思考傾向です。

今の社会が、今と言う時代の在りようが、矛盾に満ち、
多くの人が理不尽さを抱えて生きているこの環境は、
改善されなければならない点が多々あることはもっともなことです。

かと言って、社会批判を強め、過剰な他者攻撃性は、
自分から始まる社会を危険にさらし、自分自身をも壊してしまいます。

人生に簡単な答えはありません。
にも拘らず、多くの人は短絡的に答えを求める傾向があります。
人生に結論なんてありません。
智慧は情報からだけでは獲得できません。
思慮深くあるためには、辛抱強く忍耐強く在る必要があるでしょう。

人生に明確な公式や方程式はありません。
人生は「生」です。
「生」は、生きており絶えず変化し、時に激動さえします。

だからこそ、思慮深さが必要になります。

東中国カウンセリングセンターは、設立当初から
「予防カウンセリング」の提唱を活動の中心においています。
「知る」こと「学ぶ」ことを身に付け、
思慮深さを精神の核に培っていくことによって、
カウンセリングを受けなくてもいい人生を歩んでいただきたいと願っています。
それでも独りでは潰れそうになったら、
いつでも気軽に「カウンセリング」を活用してください。

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